寝ても寝ても眠たくて動けない。
周りから「慢性疲労程度ならみんな頑張ってるよ…」という意味のことを言われることがあるのですが、慢性疲労症候群はちょっと違います。
▼回復しない疲労である。
健康な人が疲れて→休養して→回復する。もちろんあまり休養できなくても、いつか疲労は回復するのが普通ですが、慢性疲労症候群は回復しません(あえて言うと)。
私の慢性疲労症候群は、2012年のある朝、ひどい目まいで布団から起き上がれないという状況に、目まいが取れても今度はひどい疲労感が残って布団から起き上がれない…というふうに始まりました。その疲労は、寝ても寝ても眠たくて(ほぼ一日中寝ていた)、疲れが取れません(というかしんどくて動けない)。この時はひと月程続きました。
こういうことが、数日、ひと月、数ヶ月にわたり続くことがあり、繰り返します。寝たり起きたりを繰り返すうちに数年が経ちました。
この間、ちょっと良くなったりの波はあるのですが、完治した期間はありません。そして年々弱っています。
▼疲労の程度が酷すぎる。
とにかく疲労感の程度がひどいです。健康な人が残業続きでひどく疲れが溜まって倒れてしまう…こともありますが、これとはタイプが違うのかもしれません。とにかく起きられない。疲労感で身体中が泥のように重い。私は睡眠中すら苦しいことがありました。
なかなか説明は難しいのですが、私も、当然健康な時の一般的な疲労も知っているのですが、それとは明らかに違うのです。
▼動けない、力がない。
布団から起き上れない時、ひどい疲労感もあるのですが、それとは別に暗示にかかったかのように体が動かせない感じでもありました。身体が脳のいうことをきかない。無視している感じです。
また、力もなくなります。脱力というか実際力も出ない。例えば…
・湯呑みを取ろうとすると、重さで湯呑みをそのままに手だけ取り上げて空振りする。
・歯磨きのブラッシングが継続してできない。腕が動かせない。数回で休む。
・普通に話そうとして声を出すと、声が出ていなかった。
・物を食べようとすると、咀嚼がだるいことに気づく。
・字を書こうとすると、腕や肘に力がなくてダルいことに気づく。
・とにかく、話すのは体力がいるので、消えるような声しか出ない。
・掛け布団が重く、動けない。
・シャンプーなどプッシュものが、力を込めないと使えない。
と、こんな感じで、ちょっとしたことができないです。
最近は、調子のいい時には屋内で結構普通ぽく生活できているのですが、ちょっとしたところに体力の限界があって、それ以上できません。
・しゃがんで何かすると疲れてしまい、そのまま横になることに。
・掃除機をかけていて疲れてしまい、そのままひと月ほど寝込んでしまった。
・シャワーを浴びることが、楽にできる日と、しんどい日があって、その日の調子がわかる。
・元気だからと調子にのって階段を使っていると、突然体力切れになる。
・疲れてしまうと、全身の脱力で動けなくなる。
▼一番困る健康な時とは違うこと。無理ができない。
困るのは、外せない仕事の当日に疲労の発作が出てしまうと、健康なら今日だけ頑張って…となるのですが…。
慢性疲労症候群になってからは、無理ができません。当日、完全に動けない時はどうしようもないのですが、しんどくても動ける場合。ヘロヘロな動きで仕事をこなしてその日をやり過ごすと、翌日からしっかり寝込むことになります。そして、そこで無理をすると長期間寝込むことになったり、病状が悪化して以前よりも起きられない毎日になったり、疲労感が増したり、苦しくなって寝ていても苦しい…ということになってしまいます。
(そういえば、半日で電池切れになったことがありました。友達と遠出をしていて、向こうで体力がなくなりました。友達は運転できないので、必死で運転して帰りましたが、声を出したり余計なことをすると気絶しそうでした。当然、帰ってから寝込みました。)
健康な時って、健康に余力がある気がしますが、今は余力無しで動いている気がします。動く力がなくなると、全社操業停止みたいな感じです。 慢性疲労症候群の方がTVに出ておられると、結構元気そうに見えるんですが、実はそんな感じです。外出するときも前後1週間安静にして準備していることでしょう。私もそうです。
このように、自分が健康な時とは明らかに違う疲労感で、どうにもならないというのが現実です。よく言われる「もう少しがんばれば?」という意見とは、方向が違う気がします。簡単に言うと「骨折して歩けない」ことと同じで物理的にできない。それがずーっと続いているのです。
あと、「動きたいけど動けない」のです。外出もしたいし、お金も儲けたいしね。